トンネルを抜けるとそこは…?

明治安田生命J1リーグ 第11節 VSガンバ大阪 〇3-1 @駅前不動産スタジアム


本当に今シーズン勝利がなく、しかも反省もしたくないぐらいの酷い出来だったのでレビューも書かなかったサガン鳥栖の試合ですが、先日監督がようやく変わり、ミョンヒさんが戻ってきた新生サガン、ついに勝ってくれました。なので今日は久しぶりに書きます(笑)。というか最後に書いたのはいつでしょうかね(笑)。


これまで10試合を終えて、1勝1分8敗、得点1失点14という酷すぎる有様をさらしてきたカレーラスサガン。先日の試合の敗北を期にカレーラス監督を解任(辞任?)し、コーチのミョンヒさんが監督に就任しました。カレーラス監督が目指していたパスサッカーで点を取る鳥栖の理想に納得はしつつも、あくまで強かった自分たちの強みを取り戻すことを就任会見では話されており、期待していました。またミョンヒ監督は昨シーズンもマッシモ監督が解任されたあとに暫定で指揮をとり、5試合を3勝2分で乗り切り、残留を勝ち取った指揮官でもあります。


そのミョンヒ監督のもと迎えた水曜日のルヴァン杯柏戦はスコアレスドロー。最低限の結果は残せたのではないかなと。

そして迎えたリーグ戦、相手はここまで2勝と苦しむガンバ大阪。ともに6試合勝ちなしとトンネルから抜け出せないなか、この試合を制して光明をつかむのはどちらでしょうか。


トーレスをベンチにおいて、豊田と金崎のツートップで臨んだ鳥栖。トーレスよりは守備に献身的であり、しっかり競り合いも制してくれる精神的支柱の豊田をスタメンに選ぶのはミョンヒ監督ならでは。チョドンゴンがケガをしているというのもありますが。キャプテンは新たに任命された福田。久しぶりの復帰です。彼もよく走り、戦うまさに今代の「ミスターサガン」、キャプテンとしても期待。


ガンバ大阪は普段と変わらないスタメン。代わり映えしないと悪い言い方も出来ますが。39歳の遠藤がトップ下でスタメンというのもすごいですけどね。前線には今シーズン調子を落としてはいますが、一人でネットを揺らすことが出来るファンウィジョが控えています。


試合開始直後から鳥栖は豊田・金崎の二人を起点として猛烈なプレスをかけていっていました。うまく横からコースを切り、縦にパスを入れさせる。そこにも原川、福田らがタイトに寄せに行き、ボールを奪う。球際もしっかり激しく当たり、時にはファールをもらうこともありますがそれでも強く泥臭く闘う。かつての鳥栖のスタイルが戻ってきていました。原川も前監督の下では守備が異常なほど軽かったですが、この試合は気合が入っていたのでしょうか、きちんと守備もしていました。

攻撃のシーンでは前監督の遺産といいますか、繋げるところは自信を持ってつなぎながらコンビネーションで、あるいは金崎の個の突破やクエンカの華麗ないなしからのスルーパスでうまくDFを翻弄していました。これが見たかったサッカーです…。カレーラス監督が無能だったとは思いません。それはこの試合の鳥栖のポゼッション時のプレーを見れば一目瞭然。去年よりはその部分では格段に進歩を遂げています。しかし、同時に捨てたものが大きすぎた。バランスをとりつつ細かなチェンジを行うべきだった。ミョンヒ監督の指揮を見ると本当にそう思います。カレーラス監督がいなかったらクエンカも来ていなかったし。


そのようにいい塩梅でゲームを展開していき、16分にコーナーからクエンカの先制ゴールが決まります。クエンカさん、ここまでチームの全得点(2点)を両方頭で上げています。

前回の得点は後半アディショナルタイムだったので、この得点により実質的に、初めてリーグで鳥栖はリードを奪ったこととなります(笑)。いや悲しすぎる。


そこからいくつか決定機を作りましたが決めきれず。サイドバックの三丸がよく上がってクロスをバンバン豊田に供給していましたね。精度が問題でしたが。ここはやはり吉田豊の放出が悔やまれる。今彼は名古屋で全盛期の輝きを見せていますからね。


ガンバとしては、かなりイライラしていましたね。ボールを持ったとしてもプレスにはめられしかもフリーだとしても中盤がもらう動きに乏しく、なかなか出し処がない印象を受けました。さらにはキムヨングオンのいらないカードなど、全体に不協和音が。動けなかったというのは試合のコンディションもあるとは思いますけれど。まだ5月なのに気温は34度。湿度も低く、プレーが止まるたびに水を摂取するというなかなか過酷な環境。ただ、そこは鳥栖も同じなので…。


後半からはより鳥栖が勢いを強めていきました。前半で怖かったファンウィジョへの裏へ抜け出すロングボールもしっかりケアがされており、ファンウィジョは後半は特にイライラしてボールを受けるためにかなり低い位置まで降りるシーンが何度もありましたね。


67分、原川のパスを受けたクエンカが仕掛けクロスが菅沼の手にあたりPKを獲得。ここもクエンカの面目躍如。

キッカーはかつてのエース豊田。しっかりと蹴り込んで2-0。二年ぶりのゴール。もうキャリアの終盤を迎えつつあるトヨグバ。このゴールパフォーマンス(飛行機ポーズ)もあと何度見ることが出来るでしょうか。


もう二点とったら鳥栖も無理には攻めずペースを落としつつも隙見ればとどめを刺しに行く姿勢。ガンバはここでもボールを取りに行こうとせずに、傍観。なかなかチーム状況が難しそうですね…。

トーレスが豊田と交代で入り、そのトーレスの仕掛けから90分、原川がこぼれ球を押し込み3-0。勝負ありです。トーレスもしっかり守備を怠らず、ゴールゲッターとして躍動していましたね。決定力が本当にないですが。一応ワールドクラスだったはずだから、流石にもう少し決めてほしいなあ…。


90+2分に食野(めしの)のビューティフルゴールが決まり、返されますが、反撃はそこまで。というかこれは食野のゴールが美味かった。20歳ですので普段はU-23としてJ3でプレイしているのですが、そこで結果を残し満を持してトップチームで。凄かったですね、まさに「メッシーノ」というような。利き足が右なので正確にはメッシではないのですが、それでも推進力とシュートの巧さは目を見張るものがありました。この試合のガンバ唯一の収穫でしたね。



試合としてはこちらの勝利。しかもやりたいことをほぼパーフェクトに達成したうえでの勝利。このサッカーを続けられれば、残留にも希望が見えてきそうです。


次は金曜日、現在4連敗中のサンフレッチェ広島です。相性はそこまでよくはないのですが、それでもここを叩いて浮上したい。先発に戻ることが確実視されているトーレスの今季初のゴールにも期待したいです。


古都のサガンティーノ

サガン鳥栖サポーター。大学生。試合の日記、読了本、メモ等々日々の記録。

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